椿

ガマグチの財布を取り出そうと内ポケットをさぐると、一葉の柔らかい湿り気が指先にあたった。
掌の半分ほどもある大判の椿の花びらであった。
「やられた!!」と言葉がクチをつく間もなく、向こう三十メートルほど先の四辻にスリの三十郎がこっちを見ていた。
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by huck-a-gelmondo | 2004-11-09 15:58