<   2009年 12月 ( 22 )   > この月の画像一覧

b0015373_911092.jpg

この時節、街をあるけば電飾に照らされる。

監督は新宿に来た。

アルタ前ではスーツ姿のパントマイムが寒稽古にいそしんでいる。
アンプリファイドしたバイオリンをノコギリのように弾き倒すパフォーマーもいた。
怒鳴りあうカップルはお腹が空いているのだろう。
空腹の路上生活者はうなだれている。

小便横丁の入口、ズングリした男がダチョウ倶楽部の真似をしている。
西口ミロードの途上、行き交う女たちはブーツの中に婚姻届けを隠しもっている。
サザンテラスの出口、一人で歩く男は一様に不景気な顔をして喫煙所を目指している。
寒空を苦々しくするランチキ騒ぎはサラリーマンの憂鬱を裏返している。

あてどもない監督はコーヒー飲みすぎた。

アルタ前に戻ると、白かったり青かったりする電飾の向こうにタモリの幻を見た気がした。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-30 09:11

b0015373_19423914.jpg

七年ほど前からクリスマスには毎年「クリスマスカロル」を読むことにしていた。
別段好きな作品ではないけれど、町の市場が賑わう様子などはやっぱりワクワクする。
25日は双葉くんと知久さんの「陰気なクリスマス」が西八王子であったのだけど、体調不良で行けなかったのが残念だ。
代わりに部屋でボブ・ディランのクリスマスアルバムを聞いていた。
ロン・セクスミスのファーストアルバムも聞いた。
どうしてなかなか寒々しい夜だこと。
ガラス窓の向こう側へ引っかかったコンビニ袋は、サラサラと静かな雪のよう。
物干しからチラチラ映り込む赤ズボンは、鈴を鳴らしてサンタのようだ。

結局クリスマス・カロルは読まなかった。

代わりというつもりはなかったが「つゆのあとさき」を読む。
明日は高校からの友人、松野哲也の結婚パーティーがある。
松野は同じ高校の野球部から出たナイスガイ、いよいよ結婚だという。
パーティーでは余興を一曲やらせてもらうことになっている。
自慰線上にはGのストリングが張ってあり、たまに悲鳴をあげる。
そうしてクリスマスの博愛とやらは畳の隙間へ埋もれていく。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-27 19:42

ひいらぎも暮れる

b0015373_125683.jpg

クリスマスの夜には夜の賛歌を。
ノヴァーリスでなくとも小さな夜を讃えることはできるでしょう。

そこにチョコが一粒ありさえすれば夜はもっと更ける、という話。

チョコないしカカオは、夜更け色である。
不眠症のあなたにはうってつけのパートナーだ。
或る一夜にも山があり谷があり、また沼がある。
チョコないしカカオは神妙な顔した夜の渓谷への案内人だ。
どんな楽天家の瞳も、一晩にいちどは夜の色に沈む。
さあさあ皆さん!
チキンやターキーの艷々した死骸はもう見飽きたでしょう。
或る晩の憂鬱は、一粒のチョコとお月さまに帰るべきさ。
ホラ今夜の細い月はすでに隠れてしまったよ!
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-25 01:02

京急線の赤い電車に乗り込むと、母の鏡台のにおいがする。
長い電車の表は赤いが、車中は赤くない。
光るランドセルは子供たちの襟足をピカピカにして、監督の瞳にまぶしかった。

今日はキャッチボールの相手を見つけられそうな気がした。

このとき、予感の意外な頼りなさに気付くことはなかった。
監督には楽天家の部分もたしかにあったからだ。

[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-24 21:55

赤ビロードの寒い夜

b0015373_1351236.jpg

双葉双一ワンマンライブを見に東高円寺UFOクラブまで。
18日のことだ。
途中、中野駅プラットフォームでマサミタンジェリコさんを見つける。
眠たそうな顔で上りの総武線へ乗り込むところだった。
気付かれないように後をつけ、シートに腰かけていた彼の両膝の上へ座る。
最大級のシャレのつもりだったが、振り返るとトビキリの愛想笑いと「やあ偶然」で片付けられた。
やっぱり信用のできる人だ。
ひどく寒かったので高円寺の小杉湯で温まる。
ここは湯舟になみなみと自然回帰水がみなぎってある。
のみならずシャワーからも自然回帰水が湯水のようにジャアジャア出てくる。

ホカホカの身体でパル商店街を南へ歩いていくと、猫ひろしを見かける。
たしかに愛らしい。

東高円寺の地下はなかなかの盛況だった。
みんな、もの言わず赤ビロードが開くのを待っている。
楽屋を訪ねると、今晩の主役がムーンウォークを練習しているところだった。

そこにこの日のPA、ドウオカたけ氏が手本を見せに来た。
彼はムーンウォークで後進するだけでなく、四方八方へクモのように動いた。
その度にベルボトムの裾が無重力のなか揺れる。
曰く「ヒップホッパーたるものこれくらいでないとアカン」

カーテンの開くモーター音がショウの開始を合図した。
「お嬢さん気をつけて」がとくによかった。
「お嬢さんよろこんで」のハーモニカは毎度いい。
細く立ち昇る煙のようで、ナイーブな音色は終末を思わせる。
アウトロではまさかのスカ風カッティングを披露。

友部正人作「密漁の夜」もよかった。
曰く、〜小さな欲望の炎が燃えるよ〜。

双葉双一作「イン・ザ・ナイト・マイ・フェスティバル」になると、〜言い残すことはほとんどない〜となって、さすが批評/議論の余地はなくなる。

一時間半ものあいだ、お客のなか誰ひとりとして小用に立つ者もなく、固唾をのんでただただ彼の細い指先を見守っている。

迷い子たちは戸惑いながらもアンコールを求める拍手をはじめ、双葉双一はタイガーウッズのモノマネで応えた。
たとえスベっていたとしても、彼に失敗はない。

議論の余地は周到にかわされているのだから。

外は10度以下の街だ。


*写真と本文はあまり関係ありません。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-20 13:51

犬と狸

b0015373_20205649.jpg

ビジネス用語が飛び交うなか、正気を保ってマトモで居るには名刺をつくらないことです。
己を保持しながら社会との小さな軋轢で自己反省を繰り返すわけだ。
名刺族には帰属意識に呑まれるばかりで二本足でどう立つかの意識が足らん。
垣根の内や外に向かってキャンキャン吠えたてていても、口撃しているのが自分の尻尾だと気づかずにグルグル回っている。
畜生には反省がない。
バターにでもなってくれれば役に立ちそうなものだけど、肝心の色気がないから舐められたもんじゃないだろう。
これは屁理屈だが、私の名刺社会へのタヌキを見るような眼差しは理屈をこえている。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-19 20:20

長便所からの言い訳

b0015373_341539.jpg

「どんぐりは、茶色に、光って、いた。どんぐりは、茶色に、光って、いた。」

「たまごをうんで、いるのです。たまごをうんで、いるのです。」

「本を、よむ。本を、よむ。」

お父さ〜ん、いいから早くトイレでたらど〜です!
ハムエッグが冷めますよ!
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-17 03:04

上野広小路交差点の変

b0015373_20352017.jpg

(公民館に響くおばちゃん10ダース分の声)
「キヨシ!」

チャ!チャ!チャ!

(公民館に響くおばちゃん10ダース分の声)
「キヨシ!」

ダ!イ!テ!
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-15 20:35

連句やむなし

b0015373_15585839.jpg

すぐ習字道具を持って、走りました。

どんぐりは、茶色に、光って、いた。

硯盆は、カプカプわらったよ。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-14 15:58

b0015373_21555810.jpg

「どんまい、どんまい、そう落ち込むなよ。そううなだれたってナンも始まんねえ。ユニフォームはおろか、下着類まで履き忘れてきたオレたちが悪いんさ…」
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2009-12-13 21:55