<   2011年 10月 ( 5 )   > この月の画像一覧

袋小路

b0015373_22581679.jpg

スコーンと抜けた冬空が気分良かった。
鼻の奥をツーンとさせる冷たい空気が感傷を引き締める。
小回りだけは効く原付を三速のままにして、ゆったりとギアーを回転させ徐行していくよ。
どうしたってまわっていく時間に対して、鷹揚に構えてやることだ。
角を右に左に折れていくと、これまでで一番太い袋小路にぶち当たった。
だんだんすぼまっていく小路から小路を辿って、結果追い込まれてしまうならすんなりと受け入れられる袋小路も、こう突然現れると目が白黒なる。
突き当たりには「RAVEN」とか「鴉」とかがグラフィティしてあるが、
「NEVERMORE」とあったなら突き当たりの風情も演出されように。
訳は日夏耿之介版にして、「またとなけめ」も併記してあればいっそういい。

でも今日はキリリとしたセンチメントが清冽な昼下がり。
「露地から露地への怪盗紳士・・・」とあがた式のそれではなくて、「街の外れの背伸びした露地を・・・」と、はっぴいえんど方式の露地ロジックだ。
蛇足ながら「露地は狭い方をゆけ・・・」は知恵の輪。長身のタンジェリン氏が歌うところにイロニーがある。重ねて蛇足ながら知恵の輪には「蛇足」という曲もあった。

仙川に架かった見たこともない橋を越えて、陰と日向のバランスがいい小さな交差点なんかに差し掛かると、アンニュイの真綿に首を絞められてしまう。
「その男、凶暴に突き。」の追跡シーンを思い出して、死にものぐるいで逃走する殺人犯を追う機会があったら、こんな気分のままハンドルを切っていくのが本当だと思う。
追われる立場にはなりたくないものです。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2011-10-27 23:01

社説

b0015373_7205160.jpg

自由を立てれば平等が崩れ、分け隔てなくすれば不自由が生じる。
99%+1%は格差を暗示して、かといって100%はギチギチの拘束を匂わせる。

格差デモの話題だけではない。
出遅れた兄弟の片一方は、何の因果で郵便箱に顔をはめ込まねばならないのか。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2011-10-25 07:35

アナキスト

b0015373_190153.jpg

アナキズムがロマンティックなのはそこに達成がなかったからでしょうか。
黒旗は街頭の中にはためくことはあっても、ついに山頂へ突き立つことがなかった。
いや、まだわかりませんが。
手段としてのみ有効なイデオロギーなんでしょうか。火を噴く漆黒の爆薬は永遠に放物線を描き続ける。
でもアナキズムには一房の野草が似合う。
啓蒙の柔らかい衣をまとい仙人然とした同胞にも、行動派の言葉足らずな蛮行にもふさわしいと思う。
ヒッピーさん達やコミューン生活の有機さん達も啓蒙派のアナキストに含めるならば、彼らは理想を高く抱き続けているんじゃなくって、手段にがんじがらめにされているだけとも見える。
アナーキーインザUKは「欲しいものなんてないが、手に入れる方法だけは心得ている」とガナっていて、大杉栄は「理想はも目的の中にあるのじゃなくて、うう運動そのものの中にき刻まれてある」とドモっている。
結果オーライ、の反対の反対なのだ。の反対。
アナーキーの文脈ではこうして手段こそがキラめく。
その懐刀の切れ味は鋭く、理想は常にエンジンを積んで煙を噴かしている。
宙ぶらりんになることのないプラカードは、当選後にクルっとひっくり返され「どっきりでした」となることもない。
入獄後の転向もなければ、妊娠後の確変もない。断髪後のニューウェーブ化もない。
クロポトキンなんかはまるで生物兵器の名のようで、増殖していく菌が感受性の核まで感染していくイメージがあっていい。
そこで話はあなた、現代のアナキストだ。
あなた方の黒ヘル時代はすでに遠く、しかし新宿駅から地下鉄に乗りあらゆる広告パネルを黙殺しながらアジトへと向かうあなたはいぜん懐疑者の足取りだ。
いまや一房の野草がその旗印。
振りかざすと、零れた花粉が人の心を焚きつける。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2011-10-24 19:02

大道芸

b0015373_9454782.jpg

スニーカーの紐をほどいて、きみの目の前でピンと伸ばす。
両手でゆっくり揉みながら、片方の鼻の穴へ入れていくよ。
顔面の中心部をむずむずさせながら、紐はもう片方の穴から出てくるだろう。
パッと顔を明るくして、二つの鼻の穴からぶら下がる一本の紐。
その両端を、両の指先で軽くつまんで見せたなら、
きみの笑顔は曇るかい?

アーガイル柄のハンケチを取り出し、種と仕掛けをほのめかす。
ひらひら振ってから、カーテンのように顔を覆い隠すのさ。
いち、に、のさん!でハンケチを除けて、蛍光灯のように笑ってみせる。
さっきまでスニーカーの紐だったものが、青っ洟になってぶら下がっていたなら、
きみの笑顔は曇るかい?

もちろんそれは一瞬のこと。
きみがさ、息をのむ間は時間の断層。
鼻がズッと鳴いて、青っ洟は鼻腔の深淵まで引きずり込まれていくよ。
続くのは、ゴックンなんて陳腐な音じゃない。
もっともっと気品高く、また剛胆に喉頭が鳴ったなら、
きみの笑顔は曇るかい?

ぼくは満足そうに歯を見せる。
身体が空洞になると、胃の奥からトランペットの音符が昇ってくる。
つまりさ、忌憚ないカラダでゲップをするよ。
もしもコケコッコーと聞こえたなら、誰もが朝だと思うだろう。
でもそれが、悪びれもなく、ハイチュウ青リンゴ味の匂いだったら、
きみの笑顔は曇るかい?
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2011-10-24 09:52

闖入~ちんにゅう~

b0015373_6351392.jpg

なぜ自分のパソコンから自分のブログへログインできないのだろう。
かといって漫画喫茶へ足を運んで薄汚いキーボードを叩き、ログインを試みるのもばかばかしい。
家に着いたもののいつもの鍵が何故か合わず、自宅のベランダから不法まがいの侵入を試みるみたいにばかばかしい。
iPhoneから入ればいいという向きもあるかもしれないが、とうに契約は切れている。
お金を払わないと、電話も大学もわざわざ向こうから縁を切ってくる。
相応分か、もしくはそれ以上のお金を払えば契約や入学が出来るのと同じくらいに自明のことなので、もとより不思議はない。

工事は終わったのか、こうして再び入ることが出来た。
[PR]
by huck-a-gelmondo | 2011-10-24 06:36