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雑記≒忘備録

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二時に起き、人参と林檎を蜂蜜と豆乳で胃に流し込む。
二時半には出勤し、折り込みと組み。三時十五分に出発。五時十五分に完配。
五時半に帰巣し、湯。仮眠。どの家の玄関にも正月らしい飾りが付いていた。
一件誤配があり、夢から引きちぎられるようにして起床。
番地は一緒で町名だけが違う家が奇跡的に同じ名字で、留守止めをあべこべにやってしまったらしい。
外出ついでに馬事公苑のスターバックス。客少なし。
グレイトフル・デッドに学ぶ経営学とかいう新刊本が平積みになっていたので通読。糸井重里の帯文が踊っている。興味深く読んだ。既成の音楽ビジネスの反対側に居続けたヒッピーたちにも、経営学的な正解があったという話。海賊版を許し、チケット販売を自ら行い、SNSめいた独自のネットワークを編み、商標を露天商にじゃんじゃん使わせながら、ひたすら一服しまくっていたら巨大ビジネスになっていたと。
二人のデッド・ヘッズによる著作とある。するとこの本もまた、一冊を通じて光を当てている理想郷式ビジネスの円環内にあるところも見落とせない。つまり良くも悪くもすべての論調がヒッピー式に柔らかい。コシがないというか。
昼に近づいてくると混んでくる。仕事納めをしたお父さん方が時代小説をよんでいるが、どこか落ち着きがない。「せっかくの正月休みだし、喫茶店でコーヒーでもすすりながらくつろいだ気分で小説でもよもうかな」という仕事をしている。
大蔵まで行きYにプレゼントを渡しに行くが、不在。N夫人とMちゃんが在宅。
ウルトラ戦士たちを奴隷のように伏せさせ、おもちゃのカメラで撮影しているサディスティックMちゃんが可笑しかった。
ミニガイガーカウンターの工作を頼まれ、フリスクの空き箱とニッパーで格闘し成功。ささやかなものづくりの達成感。茶とパスタをいただく。
夕方、営業所に戻り元旦用のチラシと別刷りの折込作業。別刷りが四部にチラシの束が三冊を二百三十部ほど手入れする。すでに週刊文春ほどの厚さに。
一番上にくる別刷りの一面に印刷された、われるように笑う満島ひかりに挑発されながら単純作業を進める。
二時間以上かかりそうなので、明日の午前中と分けてやることにする。
武蔵溝口で食事。永遠の各駅停車、南武線。年配の女性は全員が膝丈のダウンを着込んでいる。違う国に来たように寒いし少しく旅情もある。
行きたかったへっぽこレストランはすでに撤退していたが、別のぼんやりレストランでプレシャス・タイム。
帰途、ストリートシンガーが棒立ちで前向きな歌をうたっている。「寒さに負けずがんばっていまーす」という看板が裏声の端々に立っている。
ようやく、もう一年かと思う。これまでの生涯で、もっとも社会の動静に視線が向いた一年だった。同世代の多くの人にとっても同じだろうとも思う。
震災と原発はとにかく人の愚かさについての反省と観察と考察を強いてきた。
まがまがしいまでの様々は、感覚感性原理主義式のテキトー行動学からではなく、極端なまでの意志・美意識によってユーモラスな様々に転化し得ることの確認。
この一年の多くの時間を独りで過ごすことになったのは偶然ではないということ。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-31 21:33

雑記≒忘備録

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朝刊。忘年会帰りか、普段よりも酔っ払った集団が出歩いている。
配達後、月末調整がある。契約切れや留守止め、取り置きなどの家庭を確認して帳面に書き込む。
基本的に三色ボールペンと鉛筆、消しゴムのアナクロ作業。その帳面が参照されて、通称「コンピュータ」に打ち込まれる。パソコンとかPCとか呼ばないところにロマンすら感じる。「それ、終わったらコンピュータのとこに置いといて」
湯。トーネイドーズの歌もの。そうめん。現代の神話Ⅰ。チョコリエール。仮眠。
掃除の続き。探していたネクタイと線香花火が見つかる。
散歩。ユニクロに寄る。しきりにカゴを持たせようとしてくる店員。Vネックのセーターを着る山崎まさよしの真顔ポスター。ヒートテックと部屋着のズボン下を購入。
赤線物の短編を四つ読了。上野の店へ指名もなしに突入した歳、現れた太めの中年女性に「あなた、あたしがフランスに居たとき隣に住んでた男に似てるわ。やさしい日本人だった」と言われたこと。雑居ビルとつけまつげ。
下北沢の古本屋。珉亭でラーチャン。久々。アナログ終了に従ってかテレビはついていない。若干高すぎる椅子。するとカウンターの高さが左肘をつくにちょうどよくなっている労働者仕様。
チャーハンのパープルヘイズ色が普段より弱く、味もブーストされていないが完食、結局美味。先に席を立った隣席中年の皿を見ると、薄い色のチャーハンだけが残っていた。
早々に下北を切り上げ、帰還。ゲームセンターにも寄るが、もはやわかるゲームがない。
UFOキャッチャーに興じる若くない夫婦。彼らは、はしゃいだりしない。
ラジオで年間ニュースをまとめている。ここ一年のすべての出来事がまったく古くない。
新聞配達にきた女の子を部屋に上げ、尺八を吹けるようになるまで帰さないと迫って胸をさわるなどした国際的な尺八奏者の話を知る。
火の用心のヘタウマコーラスが団地の谷間にこだましている。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-30 00:00

雑記≒忘備録

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朝刊。難なし。雨さえ降ってくれなければ、冬の早朝は怖くない。
風が全く吹かない真夏の熱帯夜明けは、息すら出来きなくてこたえた。
帰宅すると、暗闇の中で台所に見つけた手品用の指先にギョッとする。
昔の自作に、扇風機に刎ねられた指先が切り口から糸を解れさせながらとんでいく小さな話があった。Tに添削され無駄なく洗練されるが、「いや。風通しがよくなっちゃ困る」と駄々めいた口吻で自分の創作意識を確認したこと。いまではTの立場に立って自作を総括したいと思う。
湯。林檎。手品の練習。書見。仮眠。大掃除。

扉を叩く音に返事をすると、NHKだという。
ズボンをはきドアを開けると、警察手帳を見せるように社員証を目の前に差し出しながら「こ、こんにちはNHKですけれども」とくる。一刻も早く不審でない己を証明したい、そんな前のめり加減だった。
ドアを向こうに開き、脂気のない部屋を覗けるようにして「テレビがないんです」と伝える。
「ほら、見てもらっても構いません」と痴女のやり方で視線を室内に導くが、NHKは童貞君のように「いえ、いえ、けっこうです」と伏し目のまま去って行った。
年内最後の燃えるゴミの日なので、不必要なものをまとめて捨てる。
南口の喫茶店が年内最後の営業とのこと、ヒゲさんに挨拶がてらコーヒー。
古代楼のバーテンの方が入店。夜の商売人に昼間会うのは妙な違和感。通っていた医院の看護婦を、非番の街で見かけてしまったような。
本棚にあったブルータスの最新号が本特集。カテゴリー別の本紹介とともに、紹介されている本の一ページ目が綺麗にスキャンされている。すんばらしいと思う。もちろん縮尺の分だけ字は細かくなるが、読めなくない点も佳し。
高校三年時、よく行っていたオムレツ屋のカウンターで先のTと卵をつついていた際、椅子二つ分ほど離れた席で同級生のNが雑誌を読んでいた。「なに読んでんの?」と訊ねると、Nは黙ったまま表紙がこちらに見えるよう雑誌をすくい上げる。ブルータスだと判ってから「おまえもか」と言ってやったこと。
どこか遠くへ行ってしまいたくなる陽気と商店街の雑踏。
夕刊。不在を悪く思ったのか、店入金に来てくれた顧客のSさんからオレンジピール入りのチョコレイトが置き土産してある。ありがたく、美味。
茹でたうどんと東秀の安売り餃子で夕餉。
ネットのニュースで新年の月9枠ドラマが発表とあった。松嶋菜々子とジャニーズタレントで探偵物だという。「世間はこれまで草食系とか言ってたけどね、でもこれから求められるのはハードボイルドだと思うだよ」
そんな言葉を思い出し、高鳴る胸を鎮めながら脚本家をリサーチしていくが、Tの名じゃなかった。
いぜん仕事は修まらないが、明日から新年三日までは夕刊がない。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-29 00:00

雑記≒忘備録

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朝刊。だんだんと留守止めの家が増えてきた。
その把握さえちゃんとすれば、配達の数が減るわけなので早く終わる。
二時に起きて五時半に戻る。
職場からどん兵衛のカップ蕎麦を一箱分いただく。蕎麦かラーメンが全従業員に大人配りされる。自分では絶対にこういう買い方をしないのでとても新鮮な気分。けれど毎日食べていたら内臓に不具合も生じそうで、複雑な気持ちがないでもない。
湯。まだ外が暗いので、麦とホップ。
新宿の名曲喫茶で働いていたときの賄いはレンジでチンするピラフだった。味のバリエーションは三種類。ドリンク一杯もつけていいので、ホイップをオニ盛りしたココア付。
当時の店長が「それじゃあ足りないよね」とお湯を注ぐカップパスタを箱買いして、横に貯金箱を置いていった。ひとつ百円で購入してもいいよ、とのことだった。
高田馬場の居酒屋で深夜シフトに入ると、夜中三時頃の賄い時にはメニューから何品でも頼んでよかった。ひどいときにはガーリックライスとガーリックヌードル、大根餅にニンニク丸揚げをペロリとしていた。翌日、新宿ジャムの練習スタジオに遅刻していくと「にんにくが入場して来たと思った」と言われたこと。
夕刊。二時半に出勤し四時半に戻る。部屋の前に小さな段ボール、仕送りのお裾分けとある。パチンコ屋に寄った帰りだろうか、段ボールに不在を詫び、ありがたくいただく。
ニュースによると、カッターナイフで女性を襲った男はやせ形で黒っぽい服、ブルーの野球帽をかぶっていたらしい。
腕白少年からルンペンまで、野球帽の中にはあらゆるロマンとあらゆる現実が折り畳まれている。ときにはむごたらしいものも。
年賀状投函。沈みかけの細い月。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-28 12:51

雑記≒忘備録

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予定していた事案がなくなってしまったので、掃除、洗濯。
昨晩玄関先にヒゲさんがクリスマスメニュー用のチキンを置いていってくれたので、ありがたく朝食にいただく。ココナッツミルク味ではない。ポテト付。
アテもなく散歩。花屋は手のひらを返したようにヒイラギから正月仕様になっている。
寒いが手袋も頼もしく二子玉川まで。川面はキラキラしている。カップルと釣り人、野球場。
震災のあった日以来だが、駅ビルの二子玉川ライズが完成している。
膨大なテナントの量。人出はそれほどでもない。
この辺り、多摩川の向こう側は川崎市、こちら側は世田谷区。どちらも野球場で埋め尽くされている。空が広い。
この両岸を舞台に、ロミオとジュリエットのベースボール版ができないか思案したことがあったが頓挫したこと。
橋を渡る東急電車を眺めながら、土手から臨む恥ずかしくなるほどの夕陽を思う。
川の上の空中楼閣のようなプラットフォームを闇が囲い、人々はベンチで死んだように寝ているだろう。

季節を問わず、とにかく土手と河川敷を行ったり来たりした二年間のことを考える。
セガフレードに入り、住所のわかる人たちに年賀状を書く。腰をフリフリしている少女時代の九人を模写していると、変な気持ちになってくる。
バスで世田谷通りに出、歩いて南口の喫茶店まで。営業はしておらず大掃除中。
キッチンの中の物がフロアーに放り出されている。窓拭きを手伝い、単行本のバンさんと彦一を二度読み返す。ボキャブラリーも絵も天才的、ため息が出る。
色ペンと色鉛筆を借り、年賀状の続き。
今頃は職場の営業所で一日遅れのクリスマス食事会がおこなわれている。寿司とピザをみんなで食らうとのことだが、参加せず。
ピザだけでなく寿司もとってくれるところがイカしていると思う。
本場アメリカではボール・ストライク・アウトの順でカウントされる審判のカウントコールが、日本に導入され各地へ浸透していく過程でいつの間にか現行のストライク・ボール・アウトの順にコールされるようになっていった。これは日本だけの珍事。
ある老野球評論家の本によると、日本は米式のスポーツをそのまま受け入れるわけにはいかなかった。ベースボールを野球にするためには、すこしでもこちら側の色をつけて改変する必要があった、とのこと。
そんなもんなのか。もっと魅力的な理由が必要だと思う。課題。
ベースボールと野球、ピザと寿司。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-27 22:56

雑記≒忘備録

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朝刊。日曜は夕刊がないために朝刊を配り回る足取りも軽い。
トンネルから見える光の向こうに、一日分の草原が広がっている。
区域の後半、今日から試読の入った部屋がエレベーターなしの螺旋階段で五階。電柱のてっぺんよりも高い場所へのぼるのは骨が折れる。
夜空を駆けるトナカイでもいればどんなに楽か。赤鼻でも構わない。
クリスマスの朝に子供たちは枕元にプレゼントの包み紙を見つけるのだから、朝刊のこの時間はまさにサンタクロースがソリを引き回している時間に違いない。
湯。ベル・アンド・セバスチャン。シュークリーム。コンポステラ。仮眠。
午前中、集金に回る。連休最終日なので不在を恐れたが、想像よりも在宅の家が多い。なんとか八割を済ます。精算。これで手当が付く。
PとKからクリスマスパーティーのお誘いを受けたので、午後から行くことにする。
地元の和菓子屋で豆大福を手土産に求める。石原裕次郎が愛した名店だときく。
「この餅は柔らかくするような薬が入っていないもんですから、寒いとかたくなりますけどねェ、オーブンでちょっと温めればね、昔は火鉢でやったもんですが、少し香ばしくもなるし美味しいですから。」
下北沢の博物学系雑貨屋でプレゼントを購入し向かう。女性店員がさっぱりとした綺麗なお姉さん。
会計時にテレビ石の説明などしてくれる。「この石は文字を吸い上げちゃうんです」へえェーと感心していると、奥から別の女性店員がひょっこり顔を出して「無理してません?」と半畳を入れてくる。
PK宅は計十人が集まる盛大なパーティー。Pは赤ずくめのサンタスタイルで、Kもサンタ風エプロンをしている。「萌えだよ、萌え」と初めて遣う言葉で伝えると、「あ、そう」とのこと。
チキンやポテト、サラダにシチュー、ケーキなど。ワイン、シャンペン、タイザー。どれも優しくあたたかい味で美味。
プレゼント交換。指先がなぜか光ってしまう手品グッズを当てる。
PとKの結婚式記録ビデオやスライドショーなどを見る。神道スタイルの式風景にポールの姿が映ると「隠れキリシタンだ」と誰かが言ったのが可笑しかった。
最終的にはAくんとCママ、Sくんも加わりさらに賑やかなものに。
日付が変わる前にお開きとなり、YとNとTでタクシー。
別れた後、駅前の中華屋で紹興酒をやっていると、近所のスナックのママさんがいつも一緒の従業員と飲んでいる。ヒョウ柄のセーターが似合いそうな、パンチパーマのママさんと、その隣でいつも肯定的な相槌を打っている従業員。遅くにこの店に来ればいつも居る。
「クリスマスったってねェ、苦シミマスの方よ、今年は。まったくねえ」
「そうよ、ほんと。苦シミマスのほうよ、そうそう」
このダジャレを切実に使いこなしている人達に会うのははじめて。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-26 06:48

雑記≒忘備録

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朝刊。土曜日なのにチラシが薄い。東京新聞はチラシなし。ここ一年弱で初めてのこと。連休前にクソ厚いのが折り込まれたんだろう。
大寒波とのことだが悲劇的な寒さではない。
同じ区域の毎日新聞の配達員が新しい人に変わっていた。三大紙の中では、紙面も配達員グッズも毎日が一番かっこいい。だいいち、四コマが東海林さだお先生という点で飛び抜けている。あせた水色のジャンパー。
午前中に集金。老婦人の繰り言に二十分ほどおつきあい。「あなた、料理はするの?」ロイヤルホストのホットケーキミックスをいただく。「あなた、これね、あるルートから手に入るのよ」
南口喫茶店へ行き、いつもコーヒーにチョコや蜜柑をつけてくれるヒゲさんにお礼。クリスマスプレゼント。漫画。カップルの入店が二組。
クリスマスメニューのチキンをココナッツミルク味にするかどうか悩んでいたので、下手なことはしない方がいいんじゃないかと提案。みんなこの晩に望んでいるのは、赤と緑のリボンが絡まるオールドスクールクリスマスであると思う。
夕刊のため一度戻ると、集合ポストにサンタさんから手袋が届いている。指先のないものだが、蓋ができるタイプ。とてもあたたかそう。感謝。
夕刊後、Oが街にやってくる。長澤まさみの焼き鳥屋。他に客はなし。
勤務先の書店で、子連れの親が購入したワンピース全巻をラッピングした話。
クリスマスに向けてファミコンを熱望していた兄の枕元にスキー板が届いていた話。
F氏が評したステージカーテンにまつわる卓抜な比喩についての話。エンケンは登場とともにカーテンを勢いよく全開にする。友部正人はプレーンなステージに現れ一曲ずつ徐々にカーテンを閉じていく。あがた森魚は登場するやいなやカーテンを力一杯左右に開くが、その反動で再びカーテンが・・・
ケーキでも食らうかとなり、結局街頭のクレープ。冬のクレープは想像を超えて寒いと知る。使命感に満ちた接客。
Oは食べきれなかったクレープを鞄におさめ、パチンコ屋に寄った後に自転車で帰宅。
駅前で教会の有志たちがクリスマスソングを歌っていた。LEDの揺れない蝋燭。
クリスマス風情が恥ずかしいほど好きだった時代も過ぎて、いまではそんなセンチメンタルも冷製パスタのように落ち着いている。
帰宅。何処かへいったマリアを探す。生クリームでむかつくように胸焼け。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-25 11:28

雑記≒忘備録

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八時起床。雲が垂れ込めているのがカーテン代わりの布越しにわかる。
ひねり揚げの残骸と林檎で朝餉。書見。
午後、新宿改札内ドトールで待ち合わせ。世間は三連休初日のため人出多し。
Cママとベビーカーで寝ているSくんがキルトダウンでやってくる。
エレベーターを待っていると、ヘンテコな落書き風イラストが全面に描かれたダウンを着たママさんが前に居る。口から蛇が出ている絵などを凝視していると、子を抱いたパパさんが振り返り「これ、ノースフェイスなんですよ。アメリカ限定のラインみたいで」ママさんも首を回して「あら、寝てる。かわい」
日暮里まで。霊園を往く。露地から露地へ日向を接いでいきながら往く。
初見の猫ちゃんカフェ。店主は無類の猫好き、子供にも優しい。いつか雑誌で見たエンケンの自室のようなカオティックな和室。
三崎坂をのぼり千代の富士の銅像が建つ寺に寄る。鼻が猫。アバターみたいな色をしている。Cママ「クロワッサンを腰に巻いてるー」
芸大を抜け上野公園を裏から攻める。途中、木の幹に一筋の蔦が天を目指していた。
時間軸を伸ばしたように、地から天へ小さく紅葉している。燃えさかるような吉野の絶景も、このミニマリズムには敵わない点があるはずだ。
不忍池。テキ屋が並び、目つきの悪い男が煙草をくわえながらチョコバナナを売っている。背後の枯れた蓮の群れがよく似合う哀。ひとつ求めると、見送る男の引きつった笑顔の中に劇画調の優しさがほの光る。
Sくんは周りのチョコだけをベロベロ舐めているが、まるごとバナナの両端が好物の自分には気持ちがわかる。初天神にある団子のシーンを思い出す。
アメ横の雑踏。この舞台にこそ師走の二文字が相応しいと思う。売るぞ、買うぞ、生きてやる、こんちくしょう。人の欲望が在るべきママ沸騰していること。
駅前の店屋物で鍋焼きうどん。あたたまる。美味。Sくんは上野名物パンダうどんセット。どんぶりの中に海苔などでパンダの顔がこしらえてある。
Cママ「あと、たぬきセットをこの子にください」ドラえもんがタヌキと呼ばれて激怒していたのを思い出す。
前日にCママとハムスターズ本拠地へ行くことになってから、子連れでも安心した食事のできるところ、休憩のできるところを調べたが成果は上がらなかった。
結局、過剰なエクスキューズなしに付き合ってくれたCママに対し、深く恥じ入ることしきり。なるほど守るべき人のいる者が現在向き合っているイキズラサとは、食のひとつひとつからはじまって、なんとまあ惨いまでの厳しさか。
そこで閉じきらずに笑いながら世間へひらいていくママのたくましいことよ。
ならば、出来うる限り独りで条件なしに生きることは真綿の自縄自縛か。
詠嘆調の帰途。別れ際、淺井パパの作品が載っていた東京新聞の切り抜きを渡す。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-24 23:06

雑記≒忘備録

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午前中起床。サンマルクで朝のコーヒー。
まったく色気のない例文の暗唱みたいな接客の中、読書。いわば世間に対し休日宣言という伏し目のレジスタンス。
お茶の水から神保町。行けば立ち寄る店は限られている。まだ開店準備の店多し。
小川国夫の長編と吉行淳之介の娼婦作品集、生誕年のポパイ、アナキズム関連も一冊。計千円。行き当たりばったり。
ジャニスでルンバコンピを二枚。渓のフェイクコンピレーション。前回と同じくswap TVが接客。シュロンのアイブロウ、黒とわかる。
とぼとぼ歩き秋葉原。AKBのオフィシャルカフェとショップが駅前に。
文字通り冷やかす。缶入りクッキーからクリアファイル、リストバンドやAKB仕様のツバメノートまである。隣はガンダム喫茶。大判焼きなどがガンダム仕様で売られている。
手に持った大判焼きを上下させながら、店舗と記念撮影しているのはガンダムファンだろうか、だといいな。
小中学生の頃は人後に落ちないゲーム通の自負があったが、こういった秋葉原文化にはまったく染めないことを痛感。冗談でも「萌え」とか言えないほどの。ガンダムもプロレスもスターウォーズもよく知らないし、アイドルグループに団扇を振ることもしてこなかった。第一、電気系統に強くないのが効いているか。むしろ電気機器を故障させるフォースすら持ちあわせているのは気のせいか。
ガキの頃は少年なりボウイなりに電気が好きだったが、ある時期からぱったり興味がなくなる。控えめに言って「無意識」に熱中した頃の弊害かも知れない。そしてめっきりエレクトリック方面に弱くなっている。
新宿まで戻り末廣亭まで。落語五席と太神楽、奇術。広小路亭の立川流寄席は隔月で行っていたが、末廣亭は久しぶり。ジーパンのため椅子席。今晩もお母さん方が大いに笑う笑う。サゲの一言を記憶にとどめておくことだけ。
「それなら丸焼けってのはどうだい?全勝にあやかれますってんで」
「いやいや、小さい丸が二ァつで困る困るっていうんです」
「半七の手が、外股から内股の中へと・・・ちょうどォお時間でございます」
「おや、いささかやったねェ。でも縫うほどじゃねェ」
「いやァ、磨くのはよそう。また小判が出るといけない」
クリスマスめいた新宿の大通り。ハンドバッグの女、細身スーツの男。デパートの大ガラス、忘年会の大波、年末ジャンボ最終日。ひどく寒いが街のあちこちはキラキラしている。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-23 23:01

雑記≒忘備録

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朝刊。月が薄い雲の向こうに霞む。
アパートの一室からラスト・クリスマスが聞こえてくる。
昼前から集金。「週末に来て頂けますか?」が二件。何故わざわざクリスマスに集金に回らねばならないのか。逆サンタはマッピラだがやむなし。
集金用にダイソーで購った小銭入れが主婦の方々に評判高い。一円玉から五百円玉までを満遍なく揃えられ、入れ出しに便利。「それ、便利そうねえ」の声多し。
一時間ほどで切り上げ、駅前まで散歩しながら家賃分の預け入れ。サンマルクでコーヒー。チョコクロも食べる。カスがボロボロ落ちる。ここのアルバイト店員はいつもくっちゃべっていて煩わしい。それでも駅前を眺められるので来てしまう。
高校三年の頃、「松菱の二階のさ、交差点見下ろせるとこあるら?あすこで人間観察するのがおれの趣味」それだけじゃなくて、Mは急いで駆け込んだエレベーターで息を整えながら「あっぶねえ」と独りごちる癖も披露してくれた。
思春期とはいえ、そこまでの自意識を持ち合わせいなかったので驚いた記憶。もともと人間観察をするような洞察力は欠けていたし、もっとスットコドッコイなほうだと自覚している。
夕刊。団地の広場で一服していると、子供らの影が伸びてくる。配達は最速。四時四十五分に終わる。自らリズムを変えていく工夫。
明日は休みなので集金はしない。
うどんとキムチを追加投入した鍋で夕餉。仮眠。コーヒーでも飲みに出かけたいが、この時間やっているのはデニーズかマクドナルドくらいか。新聞配達のエンジン音が聞こえてくる。
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by huck-a-gelmondo | 2011-12-22 03:29